読んだり、食べたり、あきらめたり

つぶやきの保存。主に本や食べ物について。読んだ本の感想は読書メーターに投稿しています。

さりとて急ぐこともなし

春泥にさりとて急ぐこともなし   草野駝王


にじ子(id:amenomorino)さんの今日のブログタイトルを見て思い出した俳句。
好きな句です。


春の雨が降った後、道を歩いていたら泥に足をとられて、ゆっくりとしか歩けない……でも、別に急ぐ用事があるわけじゃないし、いいよねー。ゆっくり行くかぁー。

という、そういう場面を思い浮かべます。


春の雨上がりのぽかぽかとした長閑な散歩風景だけでなく、人生にもこういう時があります。
病気で体が思うように動かなかったり、身内の世話などで、時間的に余裕が無くて動けなかったり。
足をとられる春泥は、人生の中に色々あって、動けない自分、ゆっくりとしか進めない自分を、まぁ、これも私、これも自分の人生かと認められると、いいなーと思います。


なんて、たった17文字で、ここまで想像させるこの句はすごいです。
作った草野駝王も、すごいです。



そして、「いいなー」とか、「すごいです」とか、そんな言葉でしか感想を表せない自分のボキャブラリーの乏しさ!!