御婦裸淫の日
チルー (id:yanhao)さんが紹介されていて、読んでみたくなった、多和田葉子『献灯使』。( http://yanhao.hatenablog.com/entry/2015/04/13/145112 )
すらすらとは読めない。
少しずつ噛み締めるように読む。読み疲れたら、チョコレートで休憩しよう。
箱の大きさに比べて、中身の小ささに吃驚!
でも、実物を箱の横に置いてみると、箱に印刷された写真とほぼ同じ大きさだということが判明。
嘘はついてない……。
ナッツとラム酒のきいたレーズンの入ったチョコレートは美味しいです。
大災厄の後、100歳を越えても死ねずに現役で働き続ける老人たちと、骨も内臓も筋肉も弱い子供たちの住む鎖国状態の日本。
インターネットもテレビも無く、外来語や外国の国名を会話に出すことを憚られるような息苦しい生活。
曾孫の無名の未来を心配しながら暮らす義郎。
表題作の「献灯使」と対になる外国から見た「不死の島」。
「韋駄天どこまでも」の漢字をバラした言葉遊びにも似た作品。
「動物たちのバベル」は戯曲仕立て。
どの作品にも地震と原発事故の影に覆われている。
あり得なさそうでいながら、あり得そうな気にさせられる。
もしかすると、すでにこんな世界が近づいているのかも……。

- 作者: 多和田葉子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/31
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (13件) を見る
タイトルの「御婦裸淫の日」は、物語中にチラッと出てくる「インターネットが無くなったことを祝う日」のことです。