戦争と平和とゴリラ
『暴力はどこからきたか』を読みながらラミーとコーヒー。
レーズンが好きなので、バッカスよりもラミー派。
この本を読んでいるとゴリラいいなと思う。
他の類人猿などと比べて、血縁や地位の上下がものをいわない集団生活をいとなんでいるみたいで。
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読み終わった『暴力はどこからきたか』。
興味深いことが多くて、ふせんだらけになってしまった。
白い本に緑のふせんが、なんだか蕪のようだ。
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どうして戦うのか尋ねると「家族を殺されたから」と少年兵が答えたことから。
戦いは究極の破壊であると同時に、究極の愛の表現でもあるのだ。
チンパンジーの戦いと人間の集団間の戦いには明らかな違いがある。それは、チンパンジーのオスたちは自分たちの利益と欲望に駆られて戦いを起こしているのに対し、人間の戦いは常に群れに奉仕することが前提になっているからだ。
人はすでに死んでしまった世代の行いによって利益も損失も受けていると強く感じるからである。そのために戦争も生じる。親の恨み、親族の恨みを晴らし、祖先の悲願を達成したいと思う心もここに宿る。
国家や民族といったはっきりとした境界が薄れた後を埋めるように、漠とした形しかもたない集団が、宗教や思想の原理、観念的なナショナリズムや空想的民族主義を掲げて人々を戦いに巻き込んでいく。
等々。
これはもう、葉っぱのふせんがふさふさになるのもやむを得ない。
ヒトが所有という概念を捨てて、分かち合いを徹底させた狩猟採取生活には戻れないけれど。

暴力はどこからきたか―人間性の起源を探る (NHKブックス)
- 作者: 山極寿一
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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