桜と読書と落とし物
卵焼きを焼いて、おにぎり握って、残り物詰めてお弁当。
『遊覧日記』に花見の話があったなぁと持って来た。
「隅田川」娘の花さんと隅田川へ花見に行く話。
桜よりも、花見客の描写がすごい。
疲れあぶらを滲ませつつ酒盛り中である
ありったけに張った女のしゃがれ声。老女ばかり五人の酒盛りは、会話というものはしない。思ったこと全部を傍若無人にしゃべりまくる
太い首を振って歌う背中に、放歌高吟のあげく前後左右がわからなくなりシンとしてしまった背中
すごい金時計と金指輪をはめて寝倒れている眼がねの男
など。
キレイな桜を眺めて、お弁当食べて読書。
足の甲に何か落ちた!と見ると、鳥の糞が靴下に!!
桜の蜜吸い鳥が集まっていると思っていたら……。
何というお花見。
ウェットティッシュ持ってて良かった。

- 作者: 武田百合子,武田花
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1993/01
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